| 法曹界に身をおくヒスパニック系のゲイ作家。検察庁勤務と弁護士との説があるが確認できず。ミーハー的見地から言うと、とてもハンサムさんである。それはもう、俳優にしたいくらい。 小さなゲイ小説専門の出版社からデビューするも、ゲイ・ミステリ版『長いお別れ』(チャンドラー)と評され、一般のミステリ専門誌からも高い評価をうける。ゲイ・ノベルということで、きわものと思われる向きもあるかもしれないが、静かで内省的な語り口のハードボイルドは忘れがたい余韻を残す。詩人を目指していたというだけあって文学の造詣が深く、作風にいっそうの深みを与えている。ヘテロの男性にもお薦めの佳作揃いである。
代表作のシリーズとして、 The Little Death 1986年 『このささやかな眠り』(以下すべて、創元推理文庫) Goldenboy 1988年 『ゴールデンボーイ』★ How Town 1990年 『喪われた故郷』★ The Hidden Law 1922年 『秘められた掟』★ The Death of Friends 1996年★ The Burning Plain 1997年 Rag and Bone 2001年 ★はその年最高のゲイ文学に与えられるラムダ・ブック・アワードのベスト・ゲイ・ミステリ部門を受賞している。そういうものがあること自体が驚きであるが。 尚、Rag and Boneをもって、氏はミステリ作家としてのキャリアを終えることを宣言。今後はストレート・ノベルを執筆するとのことで、シリーズ終了が残念。
|