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東野圭吾 (ひがしの けいご)


■ 予知夢






探偵ガリレオ

2002年2月/文春文庫


タイトルに惚れて購入。「燃える」「転写る(うつる)」「壊死る(くさる)」「爆ぜる(はぜる)」「離脱る(ぬける)」…という各章のタイトルも面白い。
物理学科助教授の湯川学と草薙刑事が、5つの事件を解決していく短編小説。タイトルの探偵ガリレオとは湯川のことで、モデルは俳優の佐野史郎さんとのこと――うん、マニアックな雰囲気がぴったりかも(笑)。

謎解きよりも、一見超自然的な現象にみえる不思議な事件を、科学的、物理的な視点でトリックを解明していく方に主眼点があり、サイエンス・プロデューサー米村伝治郎先生の実験を観たときのような感動に近い。すべて科学的論理的な解明がされるので、読後感はすっきりしている。






予知夢

2003年8月/文春文庫


天才物理学者・湯川学が活躍する探偵ガリレオシリーズの第2弾の連作短編集。
「夢想る(ゆめみる)」「霊視る(みえる)」「騒霊る(さわぐ)」「絞殺る(しめる)」「予知る(しる)」
の5編を収録。
超常現象のように思える謎が、科学者の視点からさらりと解明されている。今回の湯川は、ほぼ安楽椅子探偵のような感じ。
短編ということもあってあまり人間模様などは描かれないまま解決してしまうのが、少々物足りないが、エンディングを小粋な雰囲気でまとめているので読後感は暖かい。
捜査一課刑事でありながら頼りなげな草薙と、飄々としてお茶目な湯川の掛け合いが楽しく、気楽に読める。




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