2002年2月/文春文庫
タイトルに惚れて購入。「燃える」「転写る(うつる)」「壊死る(くさる)」「爆ぜる(はぜる)」「離脱る(ぬける)」…という各章のタイトルも面白い。
物理学科助教授の湯川学と草薙刑事が、5つの事件を解決していく短編小説。タイトルの探偵ガリレオとは湯川のことで、モデルは俳優の佐野史郎さんとのこと――うん、マニアックな雰囲気がぴったりかも(笑)。
謎解きよりも、一見超自然的な現象にみえる不思議な事件を、科学的、物理的な視点でトリックを解明していく方に主眼点があり、サイエンス・プロデューサー米村伝治郎先生の実験を観たときのような感動に近い。すべて科学的論理的な解明がされるので、読後感はすっきりしている。
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