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一言覚書 


作者別五十音順     /  / /  /  / は /  / や / ら‐わ / コミックス


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されど罪人は竜と踊る  浅井ラボ
デビュー作らしい。内容は面白い! ただ、なんとも文章が読みにくい。続きは読みたいのだけど、文章フェチの私の心を掴んでくれない。 続編…気になりながらも悩むところ。


猫子爵冒険譚-血文字G・J  赤城 毅
1920年、ベルリンが舞台ということで、退廃的な雰囲気をイメージを期待して買ってみたのだけど、ちょっと肩透かしを食らった気分。奇怪な連続殺人や、歴史上の名だたる殺人鬼などの面白そうな設定なのに生かしきれていない。でも読みやすいし、それなりに面白くはあくはある。中高生向けのライト・ノヴェルかな。


死刑執行人サンソン 国王ルイ十六世の首を刎ねた男  安達正勝
17〜18世紀、フランスの死刑執行人の一族サンソン家の評伝。国王ルイ16世を処刑したシャルルが中心。ついうっかりするけど、死刑執行人にも感情があるのだった。


ヤング・ヴァン・ヘルシング1-2  井上雅彦
ソノラマノベルス
作者の長編デビュー作で、「異人館の妖魔(ファンタズマ)」  「鈎屋敷の夢魔(ラミア)」の2巻がある。江戸時代の長崎出島に若き日のヴァン・ヘルシングが登場。シーボルトとともに、日本の吸血妖怪と闘う。
シーボルトの著作に「日本動物誌」「日本植物誌」があるのは有名だが、「日本妖物誌」も著そうとしていたという設定が面白い。小林智美さんのイラストだったので買った覚えが…。そのせいか、キャラクターは耽美なイメージ。


東京百鬼-陰陽師石田千尋の事件簿 浦山明俊
舞台を現代とする陰陽師もの連作短編集。
これがデビュー作なのだそうだ。関西弁の陰陽師が新鮮(笑)。


木島日記 大塚英志
民俗学者、国文学者である折口信夫を中心として、民俗学をモチーフにした伝奇小説。
時代設定が第二次大戦に近いこともあって、西洋神秘主義のオドロしい雰囲気。薀蓄も色々披露されているが、眉唾なものが多くてちょっと鼻につく感じ。
伝奇好きな私が入り込めなかったのは、折口信夫氏の研究を齧っていた過去があるからか。フィクションと分かっていても年譜の不自然さが気になって気になって。すみません、これ、私ダメです。



カルテ  かわいゆみこ
ボーイズラブ
仕事人間で胃がおかしくなるほど頑張ってる主人公と、彼にちょっかいをかけるカウンセラーのお話。 カウンセラーの曲者ぶりがよろしい(笑)。ただ、どうやら未完となってしまったらしく、友情以上恋愛未満の関係なのが残念…!


蛇にピアス 金原ひとみ
文芸春秋(3月号)
ハードカバーの単行本を買う勇気がなく、芥川賞掲載の雑誌で読んだ。うーむ……確かに文章は旨いし構成力も抜群。天賦の才能か。文学的評価が高いのは分かる気がするけど、でも私の感性は受け付けなかった。かつて、同様にスキャンダラスな作品で芥川賞を受賞した村上龍氏を彷彿。反常識の典型的な若者を描いて文壇に旋風を巻き起こし、同じく芥川賞を受賞した石原慎太郎氏が全くこの小説を評価していないのは面白い。


 闇の恋歌 菊地秀行
祥伝社ノンノベルス
ご存知「魔界都市ブルース」、せつらくん恋をする…の巻。シリーズとして、ある程度の面白さを約束されており、相変わらず魔界都市は凄絶で、凄惨で、なにより切ない。しかし前半でひろげた風呂敷を畳みそこなった感じ。「最強・最悪の第三人格」って…? 分かったような分からないような……むーん。


夏の羅刹 菊地秀行
祥伝社ノンノベルス
せつらくん青春時代の3作目。今回は魔界都市新宿から出張。初夏の長野に災厄を撒き散らす(笑)。作者は気合いが入ってるのかもしれないけど、なんとなくお手軽な感じ。以前の雰囲気は薄くなったなあ。でもそれなりに面白かった。


蒼き影のリリス-ブルー・ソルジャー 菊地秀行
中央公論社
イラスト買いのシリーズ。『ブルー・ソルジャー』 『ブルー・ソルジャー完結編』とあるが、リリス様登場シーンが楽しみであっという間に一読み。秋月くんも憎めないけど、リリスだけでいいんだ、私(笑)。戦場を渡り歩くうちに不死となったブルー・ソルジャーの枯れたオヤジ振りも悪くはないが。
古今東西の怪しい薀蓄を織り込む読ませ方はさすが。完結編が出るまでに3年以上の期間が空いたせいか、微妙に設定が変わっているのはご愛嬌か?



ぼくは悪党になりたい 笹生陽子
角川書店
お人好しで小心者の17歳・エイジが情けなくておバカで、でも憎めない。つい応援しながら読んでしまう青春小説…ってジャンルが妙に気恥ずかしくも新鮮だった(笑)。 


人生万歳 永六輔/瀬戸内寂聴
新潮文庫
寂聴師の話、実に闊達で活き活きしている。永六輔さんの相手を立てている姿勢も爽やか。この二人の様に歳を重ねられたら理想的だなあ。お薦め!


アベラシオン 篠田真由美
イタリア美術についての薀蓄が圧巻。
よくも悪くも篠田真由美って感じかな。←なんのこっちゃ。


琥珀の城の殺人 篠田真由美
デビュー作。随所にちりばめられた伏線が見事。ストーリーはありがち。探偵にもう少し魅力がほしい。


祝福の園の殺人 篠田真由美
舞台となっている17世紀イタリアの雰囲気が鮮やか。胡散臭い探偵もお気に入り。建造物の秘密を追跡していくあたり、「建築家探偵」シリーズの片鱗を感じる。ただし謎解き部分までイタリア語の知識が必要なのは如何なものか。


この貧しき地上に  篠田真由美
ボーイズラブ
建築探偵シリーズを読んでいると、篠田さんがBL系を書かれたことはそれほど意外でもなかったのだけど、兄嫁に恋した男の恋情がその息子に向かうというパターンといい、男の理性と狂気の狭間で立ちつくす主人公といい、類型的すぎ。この手の物語は、以前JUNEという分野で、榊原姿保美さん、森内景生さん、漫画家の山岸涼子さんたちが散々書いていたものので、なんだかとても古臭く感じてしまって…。全3巻揃って持っているのに先に進めない。でもBL世代ならそんなこともないのかな?


日本文学全集 第一集  清水義範
日本文学全集」というタイトルの、思いっきり軟派なパロディ集。「古事記」「源氏物語」「方丈記」「平家物語」「小倉百人一首」「徒然草」「好色一代男」「奥の細道」という名だたる古典の名作のニュアンスが分かる…かもしれない。お薦めは「古事記」不条理の世界に大笑い…素敵だ〜!!


生協の白石さん  白石昌則
普通なら無視してしまいそうな学生たちのふざけた質問に、誠意を持って回答する生協の白石さん。時には商魂たくましく時には含蓄深く、真面目に答えていらっしゃるだけに面白くも、読後は心が和む。
『生協の白石さん』応援ブログ【 がんばれ、生協の白石さん!】


白鴉事件長/顔のない骸 千秋寺亰介
オカルト・ミステリ…かしらん。この作者の『怨霊記』が比較的面白かったのと、呪禁師なる存在に惹かれて読んでみたのだけど、台詞の文末にやたらめったら「!」がついているのが気になる。そんなに叫んでいたら雰囲気ぶち壊しですぜ! こんな文章書く作家だったかなあ。
平安時代には呪禁師は陰陽師に吸収されてしまっているので、どのようなものかと興味深々だったが、京極堂の憑き物落し簡易版って感じ。キャラクター的魅力はあるのだけど、次作を買うかは悩むところ。



ドルロイの嵐 高千穂遙
スペースシャトルの野口惣一さんの活躍を見て、本作の中では、確か21世紀中には「ワープ航法」なんていうのが確立されてたよなー?って感じで『クラッシャー・ジョー』を思い出したのだけど、シリーズの中から選んだのが、なぜかシリーズ外伝のこの本。本編の主人公ジョーのオヤジさん「ダン」が若かりし頃、『ダーティ・ペア』とコンビを組んでドルロイ星で暴れまわるSF冒険活劇。私はジョーよりダンの方が好きで、初版が1986年になっていて驚いたんだけど、この頃からオヤジ趣味だったらしい。
この作品とダーティペア・シリーズの『ダーティペアの大乱戦』は、同じ事件をそれぞれの主人公キャラの視点で語るという、双子みたいな関係にある。両作品を読むとますます楽しい。


京伝怪異帖 上下巻 高橋克彦
花のお江戸を跋扈する天狗、生霊、神隠しなどの謎めいた事件を、山東京伝と平賀源内が活躍する連作ホラー時代小説。絵師や戯作者といえば、やっぱり高橋氏の独壇場だね。伝蔵の使う銅製の糸印という武器設定も新鮮。


紅蓮鬼 高橋克彦
人間の淫らな部分を利用して鬼がとり憑く。肩のこらないエンタテインメント。


バルト海の復讐 田中芳樹
中世ヨーロッパが舞台、主人公は商業のための組織ハンザ同盟の若き船長ということで、田中氏の「中国礼賛病」も一段落ついたのかなーと期待して読んだのだけど、病状は悪化しているような気がする。私自身は中国系の物語は好きだが、今回はさすがに「いかがなものか」とお尋ねしたい。確かに当時、中国が世界最先端ともいえる都市だったのは分かるが、ストーリー展開には直接関係ない。にもかかわらず、ヨーロッパと中国の格差が幾度となく比較されている…そりゃもうしつこいくらい。
料理次第ではとても面白くなりそうなのに、作り手の熱意が感じられないせいか、魅力・迫力ともに淡白で印象が薄い。後書きの赤城毅「『バルト海の復讐』取材同行記」が面白かったけど。
田中さん、好きなんだけどー、『銀英伝』や『アルスラーン戦記』の頃の、作品への愛情が感じられる小説が読みたいものである。



パペットマペットの4コマショートコント大作戦 パペットマペット
初めて買ったお笑いネタ本でし。4コマ漫画風写真集? ま、早い話が4コマ漫画。くすんだ気持ちもこれを読めば思わずクスス――リラックスタイムに最高。ウシくんが可哀そうだあ、とか言いながら、カエルくんの鬼畜さが好きさ♪ DVDも出ないかなあ。ところでこれを読んで初めてカエルくんの頭に○○がくっついたままだと知り、嗚呼驚愕!引っ張りたいっ、抜いてしまいたいっ。


ヒロシです。 ヒロシ
初めて買ったお笑いネタ本第2弾! 自虐ネタでファンを増やしつつある若手芸人ヒロシさんの、不器用な生き方がほの苦くも笑える。この本を買った私の印税が、ほんの僅かでも彼の幸せの足しになることを祈らずにいられません(笑)。


終戦のローレライ 1-4 福井晴敏
「ローレライ」の設定が疑問として残り続けるが、それだけを寛容出来れば、非現実的で荒唐無稽な潜水艦の機動も許せるかな。「秘密兵器」の正体をめぐっての前半はありがち。水深50メートルを素潜りできる17歳がいたり、薬の副作用で特殊な能力を身につけた少女がいたり、現実味が感じられない部分も多々ある。だが、それを覆すだけの登場人物の性格やバックボーンがしっかり描かれているので、全巻を読み通すと、それらを瑣末事にしてしまう作品だとわかるんだけどね。終章は『亡国のイージス』でも感じたのだけど、また説教が始まっちゃったよ(笑)。戦争観・社会観が凝縮された私見を「読まされている」印象で、生き生きとしていたキャラクターたちが急に失速してしまったようで残念。
この時代は私のウィークポイントみたいなところで、『きけわだつみのこえ』とか『今日われ生きてあり』などの戦没学生や特攻隊員の手記や、坪井平次さんの『戦艦大和の最後』をはじめとする戦記物の類いを山ほど読んでいると、なんだかなーって感じで、心情的に受け入れきれないといのが本音。それでもこの本を読んで、「戦争」について考える機会が得られるのは貴重なことだと思う。



月と闇の戦記 1-3 森岡浩之
日本神話がベースの『月と炎の戦記』の続編ということで読んだが、普通のライトノベルという感じ。
『月闇』は、貧乏退魔師がある幽霊屋敷の調査依頼を受ける。その幽霊屋敷には、どこかで会ったような美形兄妹と、やたら説教臭い幽霊たちが節操なく同居していた――と、舞台を現代に移している。やや期待はずれだったのは「“何者”呼ばわりはやめて下さい。仮そめにも、ぼくは神なんですから。」などと軽くのたまう月読命(ツクヨミノミコト)の活躍の場が少なかったこと。彼のキャラクターが好きなのだ。



哀しい予感 吉本ばなな
角川文庫
この人独自のムードは悪くないがキッチン以降色々読んでいると何か皆似た様に見えてきて・・・


蹴りたい背中  綿矢りさ
文芸春秋(3月号)
あまり冴えない高1男女の日常点景。ああそうかと言うだけで別に感動するエピソードもなく、文章が流麗なわけでもなく、評価しづらい。しかし、内容とタイトルがこれほど似合う作品は珍しいかもしれない。
読むまでは、高校生らしい純情と不純を巧みにないまぜた優しさを説いて、かつて芥川賞を受賞した庄司薫氏の『赤頭巾ちゃん気をつけて』を想起していたため、期待はずれに感じたのかもしれないが……これが本当に新しい時代の流れなのか?




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